ワールド杯ドイツ大会の決勝戦。なでしこジャパン対アメリカ戦は、後半のワンプレーで日本はアメリカに先攻を許します。
69分、後半途中から出場した元陸上選手のアレックス・モーガンにゴールを決められます。日本が攻め上がったとき、相手のバイタルエリアで永里がボールを奪われると、アメリカは素早く前線にボールを蹴り込みました。
このロングフィードに熊谷とモーガンがボールを取りに行きます。しかし、モーガンのスピードが上回りました。モーガンは熊谷を振り切り、中央左寄りから強烈なシュートを放ちました。ボールは、GK海堀が横っ飛びで弾こうと伸ばした手の横を飛んで行き、ゴールに吸い込まれました。
日本は、先制されると、澤が積極的に前線に顔を出し、同点ゴールを決めようとしていました。そして、ついにその時が来ました。
後半36分のことです。
日本は相手DFが前線に送ろうとして蹴ったボールを、川澄がパスカットし、右サイドを駆け上がって来た永里にボールをパスしました。
ボールを受けた永里は、相手DFをかわすと、ゴール手前で待っている丸山へパスしました。丸山は、ペナルティエリア内でボールを受けると、相手センターバックと競り合いながら素早くボールを中央へと蹴りました。すると、相手CBの体に当たりボールがGKソロの届かない位置に転がりました。そこへ走り込んできたあやちゃんが、GKの動きを見て、とっさに左足でGKの動きと反対方向のゴール隅へと蹴り込みました。こうして同点ゴールが生まれました。
この一連のボールの流れの中で、いち早く、ゴール前に駆け込んできたあやちゃんの走行距離は約50mでした。最前線での攻防をカメラが捉えていた時、あやちゃんの姿は、かろうじてテレビ画面の左下に写っているだけでした。
約50m手前からゴールに向かって猛烈な勢いで走り込んでいったとき、ゴール前で何が起きるか、まったく想像出来なかったと思います。それでも、何かが起きると信じて走って行ったはずです。その結果、相手CBに当たったボールが目の前に転がってきました。
ストライカーの勘が働いたのでしょうか。
それもあると思いますが、約50mの距離を全力で走ったから、こぼれたボールにいち早く触ることができました。
常に全力プレーしているからこそ、生まれたゴールだったと思います。
「世界No1のキーパーなので、足が伸びてくるのも容易に想像できたので、なるべく反対の隅の方にと思いました。中々入らないようなキーパーなので、流れの中で点を取ったことは嬉しかったですね」
この1点が、選手たちの大きな自信となる。
2コメント
2017.04.20 14:26
2017.04.19 12:13